この本は3人のライターによる共著です。(金丸弘美・藤原ゆきえ・長晃枝、
金丸弘美氏監修)
その著者のお1人、藤原ゆきえさんのお側でその取材、執筆のご様子を
たまたま少しだけ垣間見ることになったご縁で、当HPで紹介させて頂く事
にしました。
 
この本は単なるグルメ本とは違います。おいしいものを扱うという点では
同一線上にはありますが、安全で、偽りのない「ほんもの」を志向している
か否かにおいては同じくくりにはない筈です。この本を読み進めていくと、
単なるグルメ本ではないことがわかるでしょう。
 
まず、スローフードについて、この言葉をご存知の方も多いと思いま
すが、日本にも定着しつつあるこの言葉の発祥について、簡単に説明しま
すと、1986年に北イタリア、ピエモンテ州のブラという小さな村に「スローフ
ード」協会が発足し、世界38カ国、132の都市にあわせて、約6万人の会員
をもつ一大組織になった今も、その小さな村に国際本部があります。
日本でもニッポン東京スローフード協会、日本スローフード協会などがあり
ます。(もっと詳しく知りたい方は>>>「ニッポン東京スローフード協会」
「スローフードとは」を参照のこと)
 
しかし、イタリアのこのムーヴメントが入ってくる以前からも日本では様々な
気づきから、食生活の見直しの動きは静かに始まりつつあったと思います。
従って、取り立ててスローフード、スローフード、と唱えるのにはちょっと抵抗
があります。あくまでもこれは私見です。
※2002.1/1・15号のBRUTUS「スローじゃなくてごめんね!」は、
 そんなことへのアンチテ−ゼの一つでしょうか。
 
大切なのはスローとかファストという形式的な言い方じゃなくて、最終的に
食べ物を口にする瞬間の思い、つまり作り手への(生産者・製造者・料理人・
菓子職人など)、そして素材への(生産物・お料理・製造物)感謝・慈しみの
心を持てるセンスなのです。この双方向から生み出される信頼関係。
この社会で安心して食べ物を口に出来るしくみの広がり、定着が、もっと
当たり前の世の中になって欲しいという希求が、こうした本が出ることによって
さらに後押しされるのではないかと期待しています。